住宅ローン減税の適用要件

住宅ローンは限界まで借りまくれ!(1/2)住宅ローンは限界まで借りまくれ!(2/2)

の記事で、低金利においては住宅ローン減税の効果が利息を上回るため、住宅ローンを限界まで借りた方がよいことをご説明しましたが、住宅ローン減税には適用要件があります。
この適用要件をクリアできないと、住宅ローンを限界まで借りた方がよいという法則は当然成り立ちませんので、税制の詳細も含めて掘り下げて説明していきます。

法令での記載

以下国税庁ページNo.1213 より抜粋です。

  1. 新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
    (注) その個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいること。
    なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合、控除の適用対象は主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
  2. この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。
  3. 新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
  4. 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
  5.  居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3第1項、35条 1項(同条3項の規定により適用する場合を除きます。)、36条の2、36条の5若しくは37条の5又は旧租税特別措置法37条の9の2)の適用を受けていないこと。

これらは適用要件ですから、一つでも条件にマッチしないと住宅ローン減税を受けることは出来ません。いくつかポイントを説明していきます。

新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。

「新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し」

家を購入すると最終的にはハウスメーカーから引渡しがありますが、その引き渡し日から6か月以内に住んでいない場合は、住宅ローン控除は受けられません。まあマイホーム購入したにも関わらず空き家のまま放置する人はいないとは思いますが・・w

「適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」

この条件は全体の適用要件というより、単年で見る適用要件です。つまり12/31時点で住宅ローンを組んでいる家に住んでいないと、その年については住宅ローン控除は受けられないです。
「念願のマイホームを手に入れたのに住まないわけないでしょ!」って皆さん思うでしょ?それが案外現実はそうでもないんです。つまり予期せぬ理由で住宅ローンを組んでいる家に居住しないパターン、よくある具体例だと転勤です。
「マイホームを手に入れたら左遷された」なんて話をよく聞きますが、結構このパターンは多いです。その理由は、家を購入する方は20代後半~30代の働き盛りが多く、これから将来を期待されて転勤→出世ということになる方が多いためではないかと推測します。実際私の知り合いにも長期に海外転勤をして住宅ローン控除を数年受けられなかったという話を聞いています。もう少し詳しいポイントをご説明しますと以下の通りです。

  • 転勤等でローン控除を受けられず、その翌年以後に帰宅して居住した場合はローン控除を再適用可能
  • 単身赴任でかつ、ご家族が住宅ローンをしている家に居住しているのであれば、ローン控除可能

ということで、もし転勤の可能性が高い方についてとても重要なポイントです。転勤時にご家族が一緒についていくのかどうかも含め、住宅ローンを組む前に家族の意思確認、法律の調査をしておく必要があるでしょう。

この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。

これはシンプルですね。所得が3千万円超えはローン控除を受けられないということです。一般サラリーマンで該当する人はほとんどいないと思います。副業で死ぬほど儲けてしまっている人は該当するかもしれませんが、所得3千万も儲けているならばローン控除など気にする必要ない気もしますね。

新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

住宅の床面積が50平方メートル以上

結婚&同居している方のマイホームであれば普通は条件をクリアできると思いますが、独身で家を買われる場合は少し注意ですね。
ちなみに50平方メートル=27.4畳です。2LDK程度だと条件を満たせない可能性があります。

床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するもの

事業などを自宅でする場合は注意が必要です。サラリーマンの方がすることはないにしても配偶者の方が自宅で事業を始めるパターンはありそうです。

10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。

要は住宅ローン期間は10年以上じゃないとダメですよってことです。住宅ローンを組むときにローン期間を10年以上にしなければいけないのは当然ですが、この要件はローンを返済している最中も気を付けなければいけません

ここで少し話変わりますが、繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があるのをご存じですか?大雑把に説明するとそれぞれ特徴は以下の通りです。

  • 期間短縮型:繰上返済するとローン期間が短縮する。月々の返済額はそのまま。
  • 返済額軽減型:繰上返済すると月々の返済額が減る。ローン期間はそのまま。

住宅ローン減税を受ける上で注意しなければいけないのはもちろん期間短縮型です。繰上返済することによって、ローン期間が10年を切ってしまうと、その年以後はローン減税を受けることが出来ません住宅ローンは限界まで借りまくれ!(1/2)住宅ローンは限界まで借りまくれ!(2/2)で説明しているようなたかっちと同じローンの組み方であれば、ローン期間は長期になるはずなのであまり気にする話ではありませんが、ローン組んだ後も気を付けなければいけない話ですから覚えておきましょう。

なお、繰上返済の方式(期間短縮型、返済額軽減型)については、どちらかに決まっていて選択不可の金融機関もあれば、どちらの方式か選択できる金融機関もあります。ここも住宅ローンを契約する金融機関選定の際にリサーチすべきポイントとなります。

さいごに

住宅ローン減税は一発勝負です。最初に失敗したら修正聞きませんので、適用要件を押さえずに住宅ローン減税のリターンを期待して住宅ローンを借りまくるのはリスキーです。
住宅ローンを組む前に、居住後の自分の未来を予測し、最適パターンを考えるのを怠らないようにしてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

30代某大手IT企業サラリーマン。 20代で社会保険労務士取得。妻娘の3人家族。爆益をあげているハイリスカー達を後目に、リスクを嫌い小銭を稼ぐ孤高の戦士。 2017年2月より株をスタートし、着実に収益確保。過去実施してきた財テクも含め情報発信していきます。