社労士のリアル

なんと14か月ぶりの投稿。久々ですが、頑張って書いていきます。

はじめに

事の発端はX知り合いが社会保険労務士の平均850万と呟いてるのをみてわろてたことなんですが、皆さん士業資格気になる人も多そうなので、ちょっと思うところを書いていきます。なお、あくまで一般的な話を独自の目線でざざっと書いていくだけで、僕の仕事・収入に関する話は一切出てこないのでよろしくw

社労士の種類

社労士でない方はご存じないかもしれませんが、実は社会保険労務士は

  • 開業社会保険労務士
  • 勤務社会保険労務士

の2種類にわかれます。社会保険労務士資格を取った後、社労士として活動する際に、社労士会に加入するのですが、加入の際に開業社労士、勤務社労士どちらにするかを選択することとなります(つまり実態を表す単なる俗称ではない)。

開業社労士

社労士を業として自分が行うことができる形態。つまり社労士事務所を開業して自分が事業主としてやっていくケースは開業社労士ということになります。年会費は勤務社労士より高いですが、他社の社会保険手続を提出代行、事務代理できる特権を持っています。

勤務社労士

企業に勤めながら社労士を名乗る形態。年会費は安いですが、社労士事務所を開業することはできませんし、当然自分が勤めている会社以外の社会保険手続を提出代行、事務代理することはできません。

社労士の平均年収

HPなどに掲載されている社労士の平均年収とは、開業・勤務どちらのことを言っているのでしょうか。勤務社労士の年収はわかりませんが、基本的には人事労務に関する職業の年収に資格分の上乗せがある程度とみるのが妥当に思います。そして人事労務に毛の生えた程度の平均年収が850万もあるとは思えませんね。

おそらく社労士をあまり知らない方々からみた「社労士の年収」は、開業社労士のような業態のことだと思いますので、その前提で話していきます。

さて、開業社労士の売り上げはどうなのか・・、詳細気になる方は、N山先生の動画をご覧ください。この動画で言ってる売り上げは顧問業務、手続き・規定作成等の業務を他社からの受注したもののみになっており、行政協力(社労士が役所の業務を手伝うバイトのようなもの)は含まれていません。

見ましたか?動画が長いので見るのが大変な方にざっくりお伝えすると、

初年度は、

2月は売上ゼロ、3月はゼロ、・・5月も6月も・・・・11月にようやく仕事がきて売り上げ2万・・

その後も少しずつ増えてはいきますが、月数万がほとんどでとてもご飯を食べていけるような額ではありません。

皆さんがHP等を見て社労士の年収にどのような印象を持たれているかはわかりませんが、これが普通です。たかっちはN山先生の実力がないとも思っておりません。ただ、社労士はそこら中にいますから、お客さんの取り合いになります。勤務と違って、仕事は自分でとってこなければなりませんから、いくら優秀でも依頼がなければ売り上げになりません。

またコネがある人は別にして、開業したては客がいませんので、初年度年収100万とかいう社労士はそこら中にいます。そして貯金が尽きるころに飯が食えなくてサラリーマンに戻る人がかなり多くいます。厳しいですが、これが現実です。

もちろん年数千万稼いだりとばりばり稼いでらっしゃる先生が多数いるのも事実です。こういうところは社労士に限らず、事業を始めた人全員に共通する話ですね。

社労士資格の価値

さて、平均年収の話ばかりしてると社労士資格なんかいらんわってなってしまいますから、良い点もいくつかお伝えしていこうと思います。

独占業務

社労士は国家資格で独占業務(社会保険諸法令の書類作成・申請代行等)を持っています。これは強いと思いますよ。本人の能力の是非に関係なく、社労士ライセンスを持ってなければ社労士業を商売としてすることができません。ちなみに自分はIT系の資格も多数持っておりますが、自分が持っているIT系資格に独占業務は1つもありません。法的にはIT資格は見栄にしかならないということです(まあその見栄が重要だったりもするんですが)。

知識・実力の証明

これは勤務社労士ということになるかもしれませんが、人事系の資格価値としてはかなり上位にいくんじゃないでしょうか。Xで社労士なんか簡単にとれるみたいな投稿見かけましたが、全然簡単にとれないです。。勉強時間1000時間くらいは最低いるんじゃないかな。僕は1年目落ちてしまったので、過学習であったかもしれませんが、2000時間くらい勉強しました。つまり、それだけの知識量を身につけないと社労士資格とれないんですよ。人事労務関連で知らなければいけない知識を多く含みますので、人事の仕事をするのであれば、社労士資格持ちは優遇されるとは思います。あと社労士資格が、どすが利くのは間違いないです。

信用

面白いことに他業種と比べて、士業は世間的な信用度が上にみられることが多いように思います。まあ実態は平均年収大したことないんだけど・・。

他の資格

医師・弁護士

最強の資格はなにかと聞かれたら、自分は医師だと思います。その次に弁護士。

医師は実際週2バイトで働くだけとかでも余裕で食っていけます。そのくらい高給です。ただ生活するだけなら開業する必要すらないです。ただ、医師になるにはまず医大に合格するという高いハードルを越えなければいけませんし、その後も6年間教育期間があります。つまり、働きながらとか子育てしながらはまず無理ってことです。弁護士も同じですよね、仕事しながら取れる資格ではないと思います。社会に出た後医師・弁護士を目指すのであれば、会社を辞めてその道に人生をささげる覚悟が必要ですね。

話変わりますが、弁護士は社労士の上位資格にあたります。では弁護士の先生が社労士の業務を行うことができるかというとほとんどできない(というより弁護士だと社労士業務は眼中にないためやらない)と思います。法律範囲は上位互換でも、実務はそうではないということ。結局餅は餅屋です。社労士の仕事を弁護士に奪われることもあまりないように思います(労働紛争とかは競合するかもだけど)。

社労士は稼げるのか

社労士とは異なる強み

先ほどお伝えした通り、年収数千万クラスの社労士の先生も実際います。稼げる社労士と稼げない社労士、何が違うのか。

社労士は難しいとは言っても仕事や専業主婦をしながらとるのが普通ですし、その程度で資格取得できてしまうのも事実です。そして社労士は全国そこら中にいます。こういう状況で自分が仕事を獲得していくためには他に何かしらの強みがないといけません。例えば、

  • 営業上がりで営業力がある
  • 労働基準監督署の元監督官
  • 人事労務を20年経験
  • コンサル経験あり
  • 税理士とダブルライセンス

などこういう社労士以外の知識・スキル・経験がないと厳しい。僕だったらシステムエンジニア経験が強みにあたりますね。こういう強みがないなら、社労士資格とっていきなり独立しても悲惨なことになりますから、まずは自分の強みを作らないといけません。社労士法人に勤めるというのも一つの手ですね。

あと、強みというか社労士業の必須スキルですが、現状だとパソコンができない人はたぶん社労士業は無理だと思います。僕みたいにプログラム作って~とかまでは出来なくてもいいですが、最低限MS Officeのスキル、Excelで言えば関数を使えるくらいのスキルがないとお話にならんです。もちろんボールペンで書いた紙申請書でも社会保険手続の提出代行はできますよ。でも、紙申請だと、パソコン使って電子申請する先生には仕事速度が全く追いつかないです。事実上PCスキルが必須ということ。パソコンが全く使えないと開業どころか社労士事務所でも雇ってもらえないと思います。

経費

開業をする上での士業の強みを言うなら、経費があまりかからないことですね。経費は、パソコン関係と人件費がほとんどです。事務所は可能なら自宅にすれば別途事務所を借りる必要もありません。まあこの辺はITのフリーエンジニアも同じですけどね。負債リスクが小さいのはメリットではないでしょうか。

結局社労士資格どうなの?

個人的にはとりま資格取っとくかという程度の意識でも社労士とるのはそんなに悪くないとは思います。ただ上で言ってる通り、資格もってるだけで仕事たくさんもらえて稼ぎまくりとかいうのは全くあり得ないので、年収だけを目当てにするなら社労士資格取るのはやめたほうがいいですね。将来、法律知識を武器に事業やってみたいというモチベーションが必要ですな。

勉強し始めればわかりますが、社労士資格は、雇用保険、年金など割と社会人知識として役立つこともたくさん学べますので、一般教養学習としてもそんなに悪くないです。

そして社労士に限らず士業の資格とるならとにかく早い方がいいですね。理由は簡単で永久ライセンスだからです。もちろん定年退職してからチャレンジされる方など、素晴らしいとは思いますが、先ほどからお話してる通り、資格取っただけで仕事があるわけではないため、年齢を重ねれば重ねるほど社労士業を軌道に乗せるのが難しくなってきますし、いつか人は死にますから資格に対するパフォーマンスを考えるとやはり若いうちにとっておきたい。また単なる資格取得成功率を考えても若い方が有利です(僕が今社労士受けたら、多分勉強しても受からない)。

ということでもし興味ある人がいたら資格トライしてみて。

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ABOUTこの記事をかいた人

30代某大手IT企業サラリーマン。 20代で社会保険労務士取得。妻娘の3人家族。爆益をあげているハイリスカー達を後目に、リスクを嫌い小銭を稼ぐ孤高の戦士。 2017年2月より株をスタートし、着実に収益確保。過去実施してきた財テクも含め情報発信していきます。